【現在6年目】認知症の母を在宅介護する中で僕が経験したことのまとめ

親の介護は、ある日突然始まります。

僕は認知症の母を6年間、在宅で介護しています。

「何から手をつければいいのかわからない」
「介護保険の申請ってどうやるの?」
「費用はどれくらいかかるのか不安…」

僕自身も、こういったところからスタートしました。

このブログでは、実際に在宅介護をする中で感じたことや、調べてわかった制度・実際にかかったお金の話を記事にしてきました。

この記事では、それらの内容を「これから介護が始まる方」「すでに介護中で悩んでいる方」に向けて、流れに沿ってまとめています。

必要なところから、読んでみてください。

目次

① 母の認知症がはじまり、介護申請をするまで

介護で初動が遅れる理由は、僕はなんとなくわかっています。

たとえば僕は母の認知症を受け止めることが出来ず、結局、1年も介護申請が遅れました。

1年も介護申請が遅れると、母の認知症の進行も早くなります。

デイサービスに通うことで、認知症の進行は緩やかになります。

これは事実です。

では、なぜ母の認知症が受け止められないか。

それはあまりにも衝撃が大きいからです。

認知症というと一つの病名ですが、実際にその家族(母と息子の僕)にとっては、正直なところ母の人格の死を告げられるようなものだからです。

もちろん実際に、僕はそれから認知症の母と6年間過ごしてきたけれど、人格の死というのは、介護前の知識のない僕の大きな過誤だということは言うまでもありません。

認知症介護にとって大事なのは適切な知識です。

そして、いかに早く行政の窓口と関係を結ぶかがとても大切です。

僕自身の経験が今後の誰かの参考になればと思っています。

母が認知症になったことを受けとめるまでとても時間がかかりました。
 約2年もの間、母が認知症になっていく姿を不安のまま、絶望のまま、生きていました。
 こちらの記事ではその時の経験を書いています。

 →母の認知症を受け入れ、介護申請をするまで。介護が最も大変だった最初の3年の思い出。

介護申請をしたときの話ですが、こちらも一筋縄にはいきませんでした。
 母の認知症が進行していて、そのことが親族に伝わり、
 僕より先に親族が動きました。
 結局、僕は自分のタイミングで介護申請をすることをできませんでした。

 →【介護備忘録】介護申請の難しさ、第三者としての専門家の必要性について

② 介護申請の後も試行錯誤の日々

介護申請をして、父と母はデイサービスに通うことになりました。

記事内には書いてありますが、僕は1人で両親の2人を介護しています。

「要介護3の2人をワンオペで介護するのはどんな気分ですか?」

と聞かれたら以下のように答えます。

介護は最初の3年が最も大変でした。

介護申請をするまでの2年も苦しかったし、介護申請をしてからの1年も苦しかったです。

しかし、現在はもうすでに6年目となれば、父も母も要介護認定の区分変更をして要介護3になり容態はさらに重くはなりましたが、介護がはじまった初期の頃より僕自身はだいぶ楽になっています。

今後、この先、どうなるかはわかりませんが、介護申請したばかりの頃を乗りきった経験がその後の僕を強くしてくれたのだと思います。


デイサービスの効用は認知症の母にも絶大で、
 デイサービスに通うことで、母の精神状態と、
 認知症の症状の発症の緩和に影響していると感じます。
 規則正しい生活がとてもいいのだと思います。
 何より、外出する習慣と、帰宅する習慣が母を元気にしてくれています。
 デイサービスに通うメリットをこちらで書いています。

 →デイサービスの効用(=とても価値がある)。通い続けることで、生活が改善していきます。

・介護をやっている人間にしかわからないことが山ほどあります。
 とくに僕のように1人で2人を介護していると本当に自分の時間
 というものがありません。
 旅行は行けませんし、夜の会食にも行けません。
 仕事は16時までしかできませんし、唯一の平日の自由な時間も
 15時半ごろには家に帰らないといけません。
 この暮らしは、介護離職して、介護申請、転職と
 人生をチューンナップしてようやく今、6年目の介護生活を
 ブログで解説できるまでになりました。
 しかし、ここまで来るには不安と絶望の連続でした。
 この記事は僕の嘆きが書かれているだけです。
 参考にしてください。

 →在宅介護の限界とレスパイトケアを考える

要介護状態の介護区分の変更について解説しています。
 介護区分の変更は必要に応じて、されるものだと思いますが、
 必要か、必要ではないかという判断を迫られるときには、
 意外と冷静にメリット、デメリットを考える時間はなくて、
 介護利用の点数計算などケアマネージャーの都合もあるので、
 実際には変更する必要性がなくても、流れでそうせざるを
 得ない場合もやってきます。
 そういうときにきちんと自らの気持ちを示せるように、
 その時が来るまでに、要介護状態の区分変更をするということが
 どういうことなのか、どんなメリットとデメリットがあるのか
 僕の家の事例を見て、準備しておいてください。
 記事はこちら→
介護保険の要介護状態の区分変更のメリット、デメリット

③ お金・制度の話(介護費用と世帯分離の話)

「お金・制度の話」とありますが、お金とは在宅介護にかかる費用についてです。

介護がはじまる前、「介護費用は1ヶ月でどのくらいかかりますか?」とたずねたとき、誰も答えてくれませんでした。

ネットで検索しても、おおよそこれぐらい見たいな表があるだけでした。

介護がはじまる前に利用者(家族も含め)が知りたいのは、1ヶ月で〇万円前後というはっきりとした数字ではないでしょうか?

専門家の立場では、家族の経済状況も知らないうちに、金額を安易に口にできないというのがあるのでしょうが、多少の誤差があったとしても、数字の具体性というものが、介護がはじまる家族にとっては不安を払拭する要素になるので、ぜひ、介護関係者は勇気を出していろんなアナウンスをしてください。

もう一つは制度の話とありますが、これは介護の制度の話ではありません。

僕はとても大事な制度の話と思っているのは、世帯分離の話です。

世帯分離をするべきか、しないべきかをケアマネージャーにたずねてもおそらく答えてもらえません。

これは自らで判断するべき問題です。

ですが、これもネットで調べるとメリット、デメリットがあってと、はっきりとした判断を示してくれるサイトは少ないです。

僕自身は、世帯分離とは、それをすることで非課税世帯になるのであれば、必須の手続きである考えているので、迷いなく世帯分離のメリットを説明しています。

介護では何をとって、何を捨てるかもとても大事です。

このことも記事の中で詳しく書いているので参考にしてください。

在宅介護にかかる費用について解説しています。
 実際に僕の家でかかった介護費用の1ヶ月を領収書を見て
 記載した金額があるので、参考にしてください。
 また高額介護サービス費についても説明してありますので、
 世帯分離の記事とあわせて、介護費用の減額に
 役立つので参考にしてください。

 →在宅介護で実際に支払う費用と、高額介護サービス費について

世帯分離をした方がいいか、しない方がいいか
 考えている人は一度、読んでみてください。
 行政の窓口では、介護を理由に世帯分離をすると咎められる
 という噂もあるので、それも含めて、世帯分離をすることは
 どういうことかを解説しています。

 →行政窓口で世帯分離をする理由を聞かれるか、聞かれないか。

④ 認知症のトラブルと対策

認知症のトラブルといえば、徘徊です。

とくに母のようなアルツハイマー型の認知症の方に多く見える症状なので、これは対策が必要です。

僕自身も母の徘徊(という呼び名は嫌いですが)には、本当に精神を消耗させられました。

朝、ヘルパーさんから職場に「お母さんがいないです」と電話をもらったり、家に帰っているはずの母がいないときには、どうしたらいいかわからず、随分、取り乱したものでした。

その都度、母にAirTagを持たせたり(荷物に忍ばせる)、見守りの時間を兄弟にお願いしたりと対策を打ってきました。

現在では、デイサービスの通所の日程を最大の6日にして、僕が在宅して、朝の空白の1時間などには、兄に来てもらうなどして、母を家で1人にしないという生活を続けています。

これで、母の介護は万全ですが、僕自身の自由はいまだに解決はしていません。

母の在宅介護を肯定するために、僕の不自由は声高に語れない。

こういうものは、介護をまっとうしてきた人にしか共感できないことでもあります。

・認知症患者の徘徊はある日、突然やってきます。
 これは母が長距離の徘徊に出たときの話です。
 このときを境に母を1人で家に留守番をさせることを
 やめて、介護の体制を整えなおしました。
 周囲は徘徊と一言で片付けますが、
 ずっと母と暮らして、心を通わせて暮らしている
 者にとっては、とてもセンシティブな話です。
 きっと参考になると思います。

 →認知症の母の徘徊がはじまった日

・母の徘徊が問題として、表に露呈したときに、
 周囲からのプレッシャーはさらに強くなりました。
 親族からは母を施設に入れろだ、
 近所からは見守りをできる限り手伝うからとか、
 ケアマネージャーからは、GPSを持たせて欲しいとか。
 本当に介護は孤独です。
 この問題の本質は、おそらく認知症の家族と
 多くの時間を過ごした方ではないと理解できません。
 それでも対策として、僕はAppleのAirTagを購入して、
 母に持たせることで、この危機的な状況を回避しました。
 とても有意義な記事内容となっているので
 参考にしてください。

 →認知症の母の持ち物にAirTagを入れています。

⑤ 施設や今後の選択について

この記事を書いている地点(2026年3月)で、母の介護は6年目を迎えています。

僕自身はその6年間の中で、できるだけのことはやりましたが、今後のことは、正直なところわかりません。

母が、父が、どこまで今のような在宅介護の環境で、元気に暮らしていけるか、そのときが来るまでわかりません。

ですが、僕の介護の経験上、そのときはある日、突然やってきます。

そのときに慌てないでいいために、やはり安定しているときにこそ、さまざまな本や専門家の知見に耳を傾けて、準備をしないといけないと考えています。

・できるかぎり母を在宅で介護したい。
 施設に入るときの母との別れはひょっとしたら
 介護の末の死別より、辛いかもしれない。
 そういうふうに感じる僕は、幼稚かもしれませんが、
 僕が在宅で母を介護するのは、大切な感情のためです。
 もし、今後、その感情と天秤にかけて、母を施設に
 預けることが最良の選択となることが来たら、
 そうするかもしれません。
 母の人生で、僕の人生を台無しにすることは、
 お互いの本意ではないので、僕自身も自らの気持ちに
 整理がついたら、その決断をするかもしれません。
 いずれにせよ、大切なことは、判断の正否ではなく、
 その揺れの中にどれぐらいの貴重な時間を費やせたか
 だと思います。

 →在宅介護の限界とレスパイトケアを考える

⑥ 認知症を理解するために読んだ本

母の認知症がはじまったときの僕が頼ったのは、介護関係者でもなく、医師でもなく、兄弟、親族でもなく、一冊の本でした(『マンガ認知症』)。

そこから参考文献は派生していき、認知症に対する知識を広げていきました。

現在では、YouTubeでも専門医の解説をたくさん聴けるので、さまざまな知見を蓄えることで、母の認知症という絶望の中にあった僕ですが、冷静に閉ざされた状況を改善していきました。

認知症だけは、知ることでしか、前へ進むことはできません。

家族が認知症になっても、それで終わりではありません。

認知症を悲観することではなく、認知症と向き合うことで、人生は新たな展開を見せてくれます。

僕自身も介護ブログをやるなんて思いもしなかったから。

・【脳科学者の視点から認知症を考えた体験記事】
 認知症になったら、その人はその人でなくなるか?
 感情は消えてなくならないというのが大事なポイントです。

 →認知症介護脳科学者の恩蔵絢子さんの『脳科学者の母が、認知症になる』という本から学ぶこと。

・【母との日々を静かに綴った記録】
 この本で学んだのは在宅介護のやっていくことの覚悟です。
 そして何より作者の山口恵以子さんの言葉
 「介護は最初の3年が一番苦しいかった」というのが
 僕のことを奮い立たせてくれました。

 →山口恵以子さんの『いつでも母と』という本から学ぶ。

・【漫画で認知症をわかりやすく理解できる一冊】
 『マンガ認知症』ニコ・ニコルソン/佐藤眞一
 認知症を勉強する第一歩となった本です。
 とても大切な内容で、僕の母の症状の
 ほとんどを事細かに書いてあり、
 その対策を学ぶことができ、母との新たな
 関係を構築することができました。
 何を読んだらいいかわからない人はまず
 この一冊です。

 →認知症介護家族が認知症になったときに読む本。『マンガ認知症』

⑦ まとめ|最初に読んでほしい記事

介護について自分の考えや、経験したことを書いてきました。

介護に関することはとてもセンシティブなことが多いので、本当は色々なことをつまびらかにして語ることはしない方がいいかなという風に感じることもあります。

僕自身の体験で話すと、困ったときに助けてくれる人は身の回りにいないというのが現実です。

アドバイスや助言を与えてくれる身の回りの介護経験者の言葉は非常に煩わしい、というのは定説です。

困ったときはネットの中にある情報に自分からアクセスするのが一番いいと思っています。

そういう参考の文献として、僕の記事も読まれたら嬉しいと思い投稿しています。

なので、参考にはしてほしいですが、鵜呑みにしないでください。

僕の正しさは、あなたの正しさではないです。

僕は在宅介護にこだわりますが、これが間違いだと考える人は僕には共感できないと思います。

それはそれでいいのです。

僕には僕の介護があり、あなたにはあなたの介護があります。

いつか、介護が終わって、自由になったら、お互いに大変だったね、と言えればいいかな。

そう思います。

ここまで読んで迷った方は、まずは以下の記事から読んでみてください。

介護申請までの流れ
 母の認知症がやってきて、僕の生活が壊れていくところから
 介護申請をして、なんとか回復していく様を書いています。
 制度的な説明は少し少ないですが、感情の揺れを
 読んでいただければと思います。

母の認知症を受け入れ、介護申請をするまで。介護が最も大変だった最初の3年の思い出。

認知症になったらどうするか。
 母の認知症を、ドクターに指摘されて、パニックになった
 あのときの絶望を自分なりに表現しています。
 これも介護を知りたい人の詳しい参考にはなりません。
 僕の感情に触れることで、共感を得てください。
 介護をしていく覚悟のようなものも書いてあります。

お母さん、ひょっとして認知症ですか? これから濃密な家族としての時間

在宅介護の費用について。
 正直、これだけ正確に数字を書いたブログはないと思います。
 数字が1人歩きして、ある種の間違いを引き起こすから、
 多くの専門ブログでは書けないのかもしれません。
 が、僕はそれでも自分が知りたかった数字を並べることで
 これから介護する人の参考になればと思い
 介護費用の実際の金額を公開しています。
 とても実用的な内容になっています。

在宅介護で実際に支払う費用と、高額介護サービス費について

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