行政書士事務所を開業したばかりの頃
行政書士という資格の設計の難点
行政書士事務所を開業したばかりの頃、実務に関して経験がゼロだったので、本当に困りました。
行政書士は資格試験にさえ合格すれば、行政書士として開業できるので、僕のような素人でも名刺を作って、「何か困ったことがあれば」なんて言って営業していたりします。
僕に限って言えば、前職は納豆工場でずっと肉体労働をしていました(下記記事参照)。
それが行政書士という資格のいいところでもある
もちろん、それが恐ろしいという話ではありません。
今回は、そんな肉体労働者だった僕でも、きちんと勉強すれば、行政書士としてやっていけるというわりとポジティブな話です。
今日、明日でどうなるということではないのですが、一つ一つきちんと積み上げていけば、それなりにいい結果にも結びつくと思います。
行政書士になってはみたけど、何をしたらいいのかわかりません
僕自身は相続業務を専門に行政書士としてスタートをしたので、それに対応できる知識をつけるのと、実務はどうやって学べばいいのか、また営業はどうしたらいいか、色んなことをずっと考えていました。
開業当時は、不安しかありませんでした
相続業務は、どちらにしても時間が必要
本を読むぐらいしか学ぶ方法が思い浮かばなかった初期の僕
本を読むというのも大事なのですが、本を読むことで安心して、家に閉じこもりがちになるということも良くないので、あまりたくさんの本にあたらないでもいいような気がします。
相続業務なら、まず相続法の内容をしっかり頭に入れることと、それをきちんと説明(アウトプット)できるようにしておけば、質問と答えの機会を増やしていけば、必要な知識がどういうことなのかがわかってきます。
基本的な知識をおさえておくだけでよい
当初、僕自身は相続法の知識が大事だと思い、けっこう重たい内容の法律書を読み込みました。
しかし、相続の実務をこなしていくうちにこれらはあまり必要がなかったと感じます。
僕が必要だと感じたのは、実用書レベルの相続知識で十分だということです。
磨いていくのは、知識の深さではなく、必要な知識を選別する力です。
法律家ではなく、実務家であること
僕自身は法律家という響きにあこがれて、なんとなく相続業務を選択して、それを専門でやっていましたが、行政書士というのは、あくまでも実務家だと思います。
営業もしないといけないのですが、なるべく早く実務を覚えて、サラリーマンのごとく働く。
これだけです。
本を読むだけでは、学べ
ない多くの行政書士事情
一期先輩のすごい行政書士と出会う
僕は開業してから、しばらくはそういった外の世界へ出るまで色んな本を読んだり、ネットで調べたりして、引きこもりの行政書士をしていたのですが、僕の一期先輩の先生は違いました。
僕のブログではよくこの先生は出てくるのですが、この先生はおそらく行政書士になってから実務の勉強の類の本などは一冊も読んでいないと思います。
自動車関連業務は半端ない仕事量です
この先生は自動車関連の業務の専門家なのですが、開業当時、支部の先輩に「なにか仕事がないですか?」と近づいていって、フッてもらった仕事が自動車関連の手続きでした。
それをこなしているうちに、今では中古車専門店(ガリバーとかアップルとか)の専属の仕事を請け負うようになり、事務所を拡大していきました。
仕事が途切れないというのも自動車関連業務のいいところです
補助金申請も先輩行政書士から降りてくる仕事です
その先生から学ぶことは多く、彼はその間にも色んな人から仕事を学び、いつの間にかに補助金申請の専門家にもなってしまい、僕自身も彼から補助金申請の仕事を学び、彼の仕事を手伝ったりしていました。
僕自身が開業当時、実務の勉強として、費やした時間は、先輩行政書士の仕事を手伝っているうちに埋没していきました。
行政書士は食えるか、食えないか
行政書士が食えるか、食えないかの二元論をよくネットで見かけますが、僕はこの先生と知り合ってから行政書士は間違いなく食える資格だと思いました。
もちろん、どの業務でやっていくかも大事な選択です。
ただ、僕が考えていたような個人事業主として、自分のやりたいことだけをやって食っていくという選択はありません。
行政書士の相続業務は営業がすべて
とりあえず動いたら、前へ進んだ
僕自身が相続の専門家としての実務が開花したのは、やはり本という勉強の時間から離れた時期でした。
とりあえず営業をしなきゃいけないと思い、地元の公民館を借りて、相続の無料相談会をした時に、色んなことが動きだしました。
実際に営業をしてみると反響があります
公民館の使用許可をとったり、新聞の折込広告を頼んだり、その広告の原稿をつくったりと、色んなことやっているうちに実務家としての意識が変わってきます。
そして、広告を出すと実際に跳ね返りがありますから、それにどんどん答えていき、最初はうまく答えられなくても、だんだん答えれるようになってきます。
下記の記事で相続業務の営業方法を書いています。
10冊の読書より、たった1回の実践
営業をして、実際に実務をこなして、ようやくスタートラインに立てたような気になりました。
自宅開業で、本を読んで勉強してひきこもっている間には、わからなかったことが一回の実践でたくさんを手に入れたような気にもなりました。
「書を捨てよ、街へ出よう」とは本当のことだと思います。
実務がどんなものか知りたいと思った時に読む本
行政書士のための遺言・相続実務家養成講座
とは言え、実際に僕もたくさん本を読んできたのだから、その経験も無駄ではないと言うことで、読んできて、これは良かったという本だけ紹介しておきます。
行政書士のための遺言・相続実務家養成講座(新訂第3版) (実務直結シリーズ) /竹内豊
この本は、僕が何一つ相続業務について知らない最初に手にした本です。
全体を把握するために読んでおいて損はないです
これは行政書士の相続業務の一連の流れを事細かに説明してあるので、初心者の方は一読する価値はあるかと思います。
僕自身は、これを複数回読んで、部分的に知識を肉付けしていき、少しずつ自信をつけていったと記憶しています。
また、さまざまな証書のフォーマットなどもサンプルで載っているので、参考にできるかと思います。
しかし、あくまでも座学は座学でしかなく、やはり早く外の世界へ出ることをオススメします。
行政書士のためのマーケティングマニュアル
もう一冊はもう絶版になっているかと思うのですが、おそらく中古市場ではまだ生き残っている本です。
すごい希少価値のある内容なので、開業したばかりの行政書士は読んでみるべき本だと思います。
マーケティング発想で勝ち抜く!行政書士の年収アップ戦略!!行政書士のためのマーケティングマニュアル/黒田泰
稼ぐイメージを膨らませるのも大事です
僕自身は行政書士は営業がとても大事だと思います。
特に相続業務は営業がうまくいくかいかないかで、すべてが決まると思います。
しかしながら、世の中には行政書士の本と言えば実務の本ばかりです。
そういう意味では、上記の黒田氏の本は、読み応えがあり、なかなか行政書士が知り得ない希少性のある情報だと思います。
強い気持ちと自信をつけることが一番大事です
どういう人に出会うかも、大事な要素です
座学の必要性のようなものを語るつもりが、自らの失敗談のようになりました。
僕自身はやはり最初に、ノウハウばかり勉強していて、外の世界、行政書士のリアルワールドへ飛び出すのが大変遅れました。
しかし、あるとき思い切って、相続の無料相談会を開催してからは、仕事が面白くなっていきました。
行政書士の試験をパスしたことを、一つの自信として動いてみてください
僕自身の経験で言うと、勉強はほどほどで、まず人と繋がることが行政書士としては大事だと思います。
それは支部の先輩であったり、ぜんぜん業種の違うフリーランスの人でもいいと思います。
結局のところ人から影響を受けたことで、仕事が動いていったような気がします。
コメント