世帯分離について
介護保険サービスの自己負担割合を1割負担にするため
昨年の12月、世帯分離をしました。
世帯分離をする理由は、言うまでもなく、介護保険サービスのためです。
世帯分離をすることで、介護保険サービスの自己負担割合が2割負担から1割負担になるので、親の介護をしていく人にとっては必須の手続きです。
手続きは簡単です
世帯分離は思っているより、簡素に手続きは完了します。
おそらく世帯分離をするという考えに至るまでが色々とあって時間がかかると思います。
世帯分離の理由を聞かれるという噂が気になって
理由によっては世帯分離の手続きが否認されるという噂
世帯分離という言葉で検索しても、手続きの仕方や注意点を紹介するものがたくさんあると思いますが、僕が世帯分離をする前に知りたかったのは、行政の窓口が本当に世帯分離をする理由を聞くかどうかでした。
そしてその回答によっては世帯分離の手続きが否認されるという噂のようなものが気になっていました。
今回は、実際、市役所で手続きを行なった僕の経験を踏まえて、世帯分離を説明していきます。
世帯分離する理由は聞かれませんでした
おそらく世帯分離する人が一番、不安に感じているのは、世帯分離をする理由を聞かれるか聞かれないかではないでしょうか?
僕は「家計を分けたいから」という簡単な理由を用意していきましたが、結局、その理由を述べる機会はありませんでした。
結論からいうと、世帯分離の理由など聞かれることはありませんでした。
僕の心配は取り越し苦労に終わりました。
新たな家族構成を確認して署名するだけ
おそらくその書類が世帯分離届だと思います。
世帯分離後の家族構成を確認して署名しただけです。
5分もかかりませんでした。
介護保険のことはいっさい口にしてはいけません
介護保険サービスの負担割合を軽減するため(2割から1割にするため)に世帯分離をする、という認識でいいと思いますが、万が一、窓口で世帯分離の理由を聞かれたら「家計を分けたい」「生計を別にしたい」とかいう理由を述べてください。
その場では介護保険のことはいっさい口にしてはいけません。
あくまでも世帯分離は介護保険の負担軽減の為に使ってはいけないというのが行政の立場だからです。
面倒くさい世の中ですが、うまく立ち回ることで、図太く生き残っていかなければいけないと思います。
実際に手続に行ったときの様子と必要な物など
マイナンバーカードは今後はどこへ行っても必須です
世帯分離は手続きをしたその日から、適用になります。
本来ならその年いっぱいは3人世帯で暮らそうと思っていましたが、年を跨ぐわけにいかないので、12月22日という中途半端な日に窓口に行きました。
住んでいる行政窓口によって他に必要なものがあるかもしれませんが、マイナンバーカードがあれば他のものは要りません。
運転免許証だけでも大丈夫です
身分証明書の為に苦労して取得した運転免許証もあるのですが、マイナンバーカードがあれば提示しなくてもいいです。
もちろん、その逆でも大丈夫です。
運転免許証だけで手続きができると思います。
行政での印鑑不要の手続きはかなり進んでいます。
一応、持っていってもいいですが、印鑑は今は多分、不要だと思います。
僕が手続きした2023年12月の段階では、印鑑は不要でした。
今でも介護施設等では印鑑はしつこいぐらい求められますが、行政手続きでは印鑑はもう不要ですね。
今後はマイナ保険証になっていきます
国民健康保険に入っている場合は、保険証を持っていってください。
保険証も今後はマイナンバーカードに紐付けてあれば必要ないので、やっぱりマイナンバーカードを作っておくと今後の手続きが簡素化できます。
世帯分離の手続きにためらったのは、家族に対する感傷でした。
大切な家族だからこそ簡単には切り離せない
父と母が要介護の認定を受けて、介護サービスを受けるようになったのが、昨年の4月からです。
本来なら、その時に世帯分離をするべきであったのですが、在宅でずっと介護をしていたので、介護サービス開始の年度は僕も含めて住民税非課税世帯でした。
急いで世帯分離しなくてもいい状態だったので手続きせずにそのままにしておきました。
介護が大変すぎて、日々、感傷的になっていきました
そういった手続きのいっさいは重い腰を上げないとできないものです。
どうしてかわからないけど、世帯分離をしたら、また一つ何かが変わると思っていました。
家族の生活というか、家族観というか、その時に一人で背負っていたものののような何かが終わるような気がしていました。
世帯分離しても、何も問題はありません
それは単に僕の感傷の部分で、実際は世帯分離をしたからと言って何かを失うということはありませんでした。
この時点で僕の介護への覚悟がまだ固まっていなかったということかもしれません。
気持ち的な部分で、ある種の不安を持っている人が世帯分離をためらう理由もわかります。
しかし実際、世帯分離をしても家族の暮らしは何一つ変わりません。
メリットとデメリットありますが、1割負担を諦めるのはもったいない。
介護保険の手引きのパンフレットを熟読してください
その後の行政手続きが面倒になるとか色々とデメリットを説明する人もいますが、とりあえず介護保険サービスの1割負担か2割負担かの経済的な部分を考えたら、世帯分離は必須です。
収入がもともと多い家庭ですと、世帯分離をしても意味がないので、そこはよくよく調べてください。
市役所でも病院でも介護保険の手引きのパンフレットを置いてあると思うで必ず、それを貰ってきて、熟読して、自分の家族がどこに当てはまるかを確認してください。
ほとんどはデメリットが当てはまらない高齢者世帯です
僕の両親は二人とも75歳以上で後期高齢者なので、よく世帯分離をしたときのデメリットとして国民健康保険の保険料が上がるという話や、健康保険の扶養から抜けるという話がありますが、75歳以上の人を介護する場合はこの辺のデメリットは関係ないので、語られるデメリットを過度に考慮しないというのも大事です。
要介護の両親のする行政手続きが今度、どれぐらいあるだろうか
また世帯分離をしてしまうと今後の行政手続きが煩雑になるというデメリットもよく聞かれますが、この先、要介護の両親にそれほど行政手続きがあるだろうかと考えた時に、それほど多くないということと、その全てが僕自身が実子である以上、ほぼ全て僕が委任状で対応できるから、それほど大きなデメリットではありません。
行政手続きに関して補足説明
僕は相続専門の行政書士をしていたので、委任状についてはよくわかるのですが、委任状はネットで手に入るものなら、どんな書式でOKです。
ゆうちょ銀行など委任状のフォーマットを出してくる機関はたまにありますが、基本的に委任状は文言がだいたい決まっているので、それに沿ったものであればネットで検索して印刷して使って大丈夫です。
委任状で大事なのは、文言やその内容ではなく、誰が使うかです
マイナンバーカードさえあれば代理で家族が出来ます
あとはマイナンバーカードを作っておくのも一つです。
我が家は両親が要介護になった時に、市役所の出張マイナンバーカード作成のサービスで2人分作りました。
暗証番号を家族が管理しておけば、病院でのマイナ保険証としても家族が代理できます。介護するならマイナンバーカードは必須です。
高齢者寝たきりオムツ支援
『高齢者寝たきりオムツ支援』というプログラムが僕の暮らす自治体の高齢者支援課にあります。
おそらくどこの自治体でもこういったプログラムはあると思うで、行政の窓口やホームページで確認してみてください。
このオムツ(リハビリパンツ)の制度は、利用するにはいくらか資格があるのですが、介護申請していて、普通の年金暮らしの住民税非課税世帯であれば、申請が通るので検討してみてください。
例えば僕の家族では、収入のある僕を含めた3人の世帯だと父に住民税が課税されるので、利用するには世帯分離をしないといけないということもありますが、とりあえずそういう制度があるのは知っておいた方がいいと思います。
世帯分離しても、暮らしは何も変わらないです。
世帯分離して半年経ち、今も3人で家族で暮らしていますが、何も以前と変わったことはありません。
相変わらず介護の生活が大変すぎて、そんな些細なことでぐずぐずと考えていた日々が懐かしいです。
今後、また何か問題があれば追って記事にしたいと思います。
特に介護保険サービスの負担割合に関しては介護を行う人にとって最も大事な話題なので、しっかり今後も勉強していきます。
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