在宅介護の限界とレスパイトケアを考える

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認知症の進行のスピードにおびえる日々

アルツハイマー型認知症の母の進行の具合

2021年1月に認知症を発症した母ですが、あれから現在2026年5月(記事更新時)で、6年目です。

僕の感覚でいうと、進行は基本的には緩やかですが、最初の1年は在宅のみで、介護申請もせずに身の回りの世話をするだけだったので(つまり専門的ケアはなしだったから)、やはり進行は早かったと思います。

一緒に暮らしているので、それほど進行の具合を察することがなかったということもありますが、やはり母が認知症になったという事実をまだ完全に受け入れられなかったから介護申請に動けなかったんだと思います。

母の進行が緩やかになったと感じられたのは、やはり介護申請をして、デイサービスへ行くようになってからです。

デイサービスの効用

現在の母は月曜日から土曜日まで週6日、デイサービスに通っています。

そのうちの4日は父と一緒に通っています。

父も母と同様に介護認定3です。

父は母ほど手がかからないのですが、それでも自立して生活ができないので、母の介護申請をするときに一緒に介護申請しました。

介護の方法は日々、アップデートされる

デイサービスに通うことでの母にあらわれる効果は的面で、日中に家を出る習慣ができたことで、生活にもメリハリができて、すごくイキイキとしています。

もちろん、それでも認知症の症状も同時にあらわれるので、その都度、ケアマネージャーさんとヘルパーさんとの相談の上、介護の方法をアップデートしてきています。

介護離職と生活の立て直し

その間に、僕も介護離職して、再就職してという介護者にありがちな人生のシーンを繰り広げていましたが、今はなんとか落ち着いています。

もちろん、親族などが、母を施設に預けろと、なにかある度に僕に迫ってきますが、彼らの言葉に同意することはないでしょう。

彼らの言い分はあくまでも自らの立場の問題を提起してくるので、話になりません。

介護申請をする際にも親族から干渉を受けましたが、なんとか介護を続けています(下記参照)。

介護申請をする意味

こちらは市町村の公の介護申請を受け、社会福祉協議会、ケアマネージャー、デイサービスの施設、ヘルパーステーションを通じて、開かれた介護をしているのです。

親族がいきりたって、自分達の都合で主張をしたところで、ガッチリと組み込まれた介護生活の現状変更を簡単ではないでしょう。

こういう時の抗弁のためにもやはり介護申請をして、多くの専門家と繋がっておくことが大事です。

様々な専門家の話を聞いて、自分なりの介護に対する考えをしっかりと持つ

マンガ認知症【施設介護編】

それでもいつかは母を施設に預けないといけないときがやってくるわけだから、僕は今のうちからしっかり色んな心構えをしています。

その一環で色々な本を読んで勉強をしています。

最近は、『マンガ認知症【施設介護編】』の中の小島美里さんの話がとても参考になりました。

彼女のような専門家がもう少し身近にいて助言をいただけたらどんなにいいだろうと思います。

信頼のおける介護の専門家を見つけること

介護の専門家の話を読んでいると、やはり介護に関する考え方が洗練されているので、介護の方向性で僕と違う意見を持っていても、とても参考になる。

この小島美里さんは特にすごくてたくさんの患者も家族もみているから、色んな事象を心得ているから、おそらく相談する家族は少し話せば現状を理解されるから安心ができるんだと思う。

チェックリストは今のところ僕には一つもあてはめらなかった

小島さんの話の中で「在宅介護の限界はいつか」という部分で触れられている箇所がとても印象的でした。

  • 介護していて死にたくなる
  • ここからいなくなりたいと思うことがある
  • 介護している相手に腹が立ち手をあげたくなる
  • 介護する相手を殺してしまいたくなる

この中の一つでも当てはまる場合は、施設入所を考えるべきだといいます。

わかりやすくて、いい指標だなと思いました。

『あなたはどこで死にたいですか?』小島美里著

小島美里さんの本でもう一冊、『あなたはどこで死にたいですか?』という本も、認知症介護の難しさと介護サービス制度の見直しについて書かれていて、今後の介護の参考になると思います。

認知症の患者が一番悲しいことを理解して

認知症初期の患者とその家族

なぜ、今回のような記事を書こうと思ったかというと、先日、母の通う脳神経外科で、ある家族をみたからです。

僕は母を定期的な脳テストのためにクリニックを訪れていたんですが、その家族は初診で、バインダーを渡されて問診票を書いていました。

問診票を書く患者の母の横では、息子と娘がいて、息子が終始、母親に強くあたって「なんでや」とか「違うやろぉ」とか尖った声で囁いていました。

認知症患者の孤独を理解すること

僕自身は隣で聞いていて、やはりその息子より母親が可哀想だなと思いました。

僕自身も母の認知症を受け入れることができませんでしたが、やはり僕の場合よりも、母自身が何もできなくなる自分を受け入れることができずに、認知症の初期は随分と台所で泣いていました。

その都度、僕は母の肩をさすって、「大丈夫やから、俺がずっとついとるから」と励ますだけでした。

まずは認知症の知識をつけるとで、不安は和らいでいきます(下記参照)。

認知症を受け入れるところからはじまる

そう考えると、やはり認知症の患者の息子には僕は同情ができずにいました。

彼もおそらくこの先、母の認知症を受け入れて、母にやさしくできると思います。

色々な本を読んで、認知症の人のみている景色や孤独をきちんと学んで、自らを強くしていくしかないと思います。

こちらの記事で僕の介護の初期の記録を書いています。

認知症への理解がとぼしい社会

それとは別に社会に対してはもう少し認知症に対して、啓蒙していくべきだとは思います。

アルツハイマー型の認知症の患者が少し家の近所を出歩くだけで、徘徊と言われて、施設に入れないといけないと言われると介護している家族はその地域では生きていられなくなります。

あるいは一人で歩いていては危ないというときに必ず言われるのが、「車に轢かれでもしたら大変だから」ということだけど、歩行者が車に轢かれたらそれはドライバーの責任だろうと思うのが、普通の感覚ではないだろうか。

いずれにしてももっと認知症への理解が広まることを願っています。

介護全体の流れはこちらにまとめています
認知症の母を6年在宅介護する中で経験したこと。介護申請から、介護費用のことまで。

家族のレスパイトケアの難しさ

介護申請までは大変でしたが、介護申請してから改善しました

これは繰り返しになりますが、介護申請をして、本格的な介護の体制が整うと、日本の介護制度には感心するくらい介護生活が向上します。

僕自身も、介護申請まではわりと困難を重ねましたが、なんとか介護申請をして軌道に乗りました。

うちは父と母の同時の介護申請というわりと稀なケースなんですが、二人でデイサービスに通うという選択は僕の両親の性格から考えると最適な方法だったと思います。

以下の記事で、介護申請した頃のことを書いています。

認知症を発症した患者がどこまで長生きできるのか

介護申請をしてずいぶんの時を経て、現在4年目を迎えています(2026年5月)。

介護申請をせずに在宅介護を2年を合わせると介護生活も6年目です。

僕自身の関心は母の認知症がどのような方向へ進んでいくかが常にあります。

色々な本では、認知症を発症した患者がどこまで長生きできるかというものが書いてありますが、だいたいが認知症は緩やかに進行して、4年から8年で亡くなりますが、長い人では認知症になってから20年も生きたという人もいるそうです。

そういうことなので、僕は毎年、年月を更新して、安堵とさらに不安を募らせているのです。

以下に、その頃、参考にした本について書いています。

問題は僕自身の時間がだんだんと削られていくということです

2025年1月の現状は母はまだまだ在宅でデイサービスでの生活を続けられるほど元気です。

同じように父も週4回のデイサービスを母に付き合うことで、自らもとても健康的に暮らしています。

問題は僕自身の時間がだんだんと削られていくということです。

家族(僕自身)のレスパイトケアを考えていきたい

2026年は僕自身のレスパイトケアを少し考えていきたいと思います。

2021年の介護からずっと遠出はできていませんし、もう数年、夜出かけることができていません。

僕自身はもともと飲酒をしないので飲み会などは断る理由になるんですが、大事な友人との会食に出掛けられないと言うのは正直なところ辛いです。

介護を続けることで僕自身の人生が萎んでいってしまう

この4年近く父と母のデイサービスに通わせる暮らしになれることに全力を注いできた僕ですが、今年は、もう少し自分自身の人生を大事にするように考えていかないと。

そうしないとせっかく上手く設計された介護生活の意味がないと思います。

ここまで毎日、父と母が喜んでデイサービスに行って、充実して帰ってくる暮らしを長く続けることが今の僕の目標なので(もちろん、時にはくたばってしまえと思うときもあるが)、僕自身が萎んでいってしまってはいけないという立場に今はいます。

行政サービスに頼るのにも限界がある

しかしながら、母がデイサービスを週6日利用で、父が週4日利用で、送り出しのヘルパーさんを毎朝、利用している状況で、なかなかこれ以上のサービスを利用するというのは難しいと言うのが、実情です。

親族や兄弟にはあまり頼めないという事情もあるので、今のところ夜は必ず僕が家にいないといけないという状況が続いています。

もし、僕が好きなアーティストのライブにある晩、出かけたい時に今は利用できるサービスはショートステイしか思い浮かばない。

介護保険の要介護状態の区分変更をして、サービス利用の幅を広げるということもできますよ(以下記事参照)。

当事者からレスパイトケアを声高々には言えないものです

今年はショートステイを使って、遠出をしたいと思っていますが、今の未だ利用したことのに僕の気持ちだとやっぱり不安がある。

こういうのも含めて、僕自身に寄り添ってくれる人がそばにいてくれたらと思う。

実際、レスバイトケアなんて言葉があるけど、当事者からレスパイトケアを声高々には言えないものです。

誰かが僕の生活をみて、もう少し息抜きをしたらといって進めてくれるだけではなく、働きかけてくれるまでにならないと僕自身というか、介護者は自由にはなれないでしょう。

介護全体の流れはこちらにまとめています
【現在6年目】認知症の母を在宅介護する中で僕が経験したことのまとめ

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