行政書士を廃業した僕の体験まとめ|開業から廃業までのリアル 

僕は行政書士として開業し、その2年後に廃業しました。

開業する前に知っておけばよかったこと、実際に行政書士をやってみてわかった現実を、このページにまとめています。

行政書士を目指している人、開業を考えている人の参考になれば嬉しいです。

目次

行政書士を目指した理由

僕が行政書士を目指した理由は、「独立できる資格」だったからです。

40歳を超えてから、社会と関わりのある仕事をしたい、ソーシャルワーカーになりたいと思うようになり、色々と検索をしていたら、ソーシャルワーカー(社会福祉士)になるには、4年生の大学に通わないといけないということで、すぐに諦めました。

それでも40歳からの人生を変えたいと思ったとき、当時、工場勤務のパート社員の僕には資格をとることしか考えれなかったのです。

最終的には社労士か行政書士なら1年間、必死に勉強したらなんとかなりそうだったので、資格をとろうと決めました。

行政書士に決めたのは、資格をとった後、どこかへ就職(採用されなくて)しなくても資格を活用できるということだったので、行政書士に決めました。

社労士の資格までとって、更に就職活動しなくてはいけないとなると、すんなり人生が進んでいく気がしなかったのです。

僕は就職氷河期で、普通に就職することの難しさを知っている世代なので、採用されるかどうかで、人生を左右されるところに自分を置きたくなかったというのがありました。

詳しくはこちら
行政書士を目指した理由

行政書士を目指した頃

行政書士試験はとても難しいです。

ネットでは行政書士の難易度は他の資格と比較されて、それほど難しくないと言われがちですが、簡単には合格できません。

辛うじて僕は180点をとり、一発合格しましたが、これはどちらに転んでもおかしくなかった結果です。

一つ言えることは、僕自身が立てた戦略がまさったんだと思います。

きちんと投資して、効率よく、合格までの時間を過ごしたからです。

僕が実際に使った教材について

僕自身は行政書士試験をめざす際に、色んなサイトで行政書士の勉強の仕方について調べて、その中で最も自分に合っていそうな行政書士通信講座を選び、迷うことなくその教材を購入しました。

 詳しくはこちら
 フォーサイトで行政書士に一発合格した体験談|教材レビュー

行政書士試験の勉強時間はどれくらい

行政書士試験の勉強時間は一般的に600〜1000時間と言われます。

僕の場合は、1日2時間×30日×11ヶ月なので、約660時間で合格しました。

行政書士の資格を目指す人の多くは社会人なので、働きながらの試験勉強を想定しないといけないので、自分が今、どれぐらい勉強時間がとれるかというのもとても大事な問題です。

 詳しくはこちら
 行政書士試験に合格する勉強時間はどれくらい? 社会人受験の実体験

行政書士の難易度はどれくらい?

行政書士試験の勉強をする前に必ず知っておいてほしいのは、行政書士試験の難易度です。

といっても実際に試験を受けてからではないとその難易度を実感できることはないと思いますが、比較で語られる難易度はあてになりません。

弁護士や会計士、税理士と比較される難易度は、それらの資格を目指す人ための難易度です。

もしご自分の年齢や学力を考えて目指せる資格が行政書士か社労士ぐらいしかないという理由が1ミリでもある人にとっての難易度は、やはり超難関、一回の試験で確実に合格できるとは言い切れない難易度です。

 詳しくはこちら
 行政書士試験の難易度はどれくらい?合格者が解説【伊藤塾の講義の体験談】

行政書士模試を必ず受けること

行政書士試験の難易度を実感するために、最も有効な手段は行政書士模試を受けることです。

模試はさまざまが資格スクールが開催しているので、その中でどれかを選んで受けてください。

僕が受けて感動した模試は伊藤塾の模試です。

 詳しくはこちら
 →伊藤塾の行政書士模試は、試験後の解説講義を聴くためにも受けた方がいいです

自己採点で180点なかったとしても諦めないで

行政書士試験の後、自己採点で180点なかったとしても、記述試験の結果で大きく変わってくるので、諦めないでください。

僕自身も記述試験が満点ぐらいなければ、合格するわけがないという自己採点でしたが、180点ギリギリのスコアで合格しました。

もちろん記述試験が出来たという実感も記憶もないので、なんとも言えませんが、とにかく合格してよかったという話です。

 詳しくはこちら
 自己採点で180点なかった僕が、行政書士試験の合格発表まで感じていたこと。記述試験が大きく影響したことなど

開業する前に知りたかったこと

行政書士に合格してから、この資格をどうやって活用しようかと考えたら、ほとんど独立開業を選ぶしかありません。

もちろん、僕もその流れで、独立開業して、その2年後に廃業することにしました。

その結果に後悔はありませんが、開業前に知っておけばもっと上手く立ち振る舞えたし、廃業の決断をせずに済んだのではないかと思っています。

急いで開業をする必要はありません。

急いで仕事を辞める必要もありません。

開業してから、いろいろなことをカタチつけていけばいいと思います。

副業で行政書士をするという選択も考えてみる

僕が行政書士を開業したときは、まだ副業で行政書士をしようという考えを肯定的に捉えてくれる人はいませんでした。

行政書士は片手間では出来ない。

もちろん、そう思います。

特に僕が専門でやっていた相続業務は全身全霊の行政書士でやるべきだと思います。

しかし、まるきりの素人がいきなり全身全霊の行政書士をやるのは、とても辛いです。

そのイメージが僕自身にはありませんでした。

専門特化型の行政書士じゃないと生き残れないと、開業前後に色んなネット記事や動画で学びましたが、実際に自分がやってみて、感じるのは、最初にそうやって自分が進む道を固定してしまうと、後からが苦しくなるということをもう少し誰かが言わないといけないと思いました。

僕は長年続けてきた仕事を辞めて、いきなりフルタイムの行政書士になったけど、結局、2年で廃業しました。

その僕が、周囲の先輩や同期の行政書士を見ていて感じたのは、行政書士は副業でも十分、やっていける。

もし、僕が今後、行政書士を再登録するときは、今の仕事を続けながら、やろうと考えています。

長くなりましたが、フルタイムか、パートタイム(副業)か、僕なりに考えてみました。

 詳しくはこちら
 →フルタイムの行政書士ではなく、副業として開業することを強くオススメします。

自宅開業か、事務所を借りるか。

行政書士になるときに最も考えたのが自宅開業か、事務所を借りるかの二択です。

もっとも僕自身の性格から、開業直後から月々の家賃を課す経営をするつもりもなかったので、色々とメリット、デメリットを知った上で、自分自身は自宅開業ではじめるというのは決めていました。

僕自身の考えでは、自宅開業か、事務所開業かの二択を考える人は、おそらく自宅開業でも大丈夫という意見を求めていると思うので、あまり考えずにまず自宅開業で大丈夫だと思います。

稼いでいる人で、自宅開業の人は身の回りにはいました。

そして大事なことですが、独立事務所を持っている人は、ほぼ全て稼いでいました。

つまり、彼らの多くは稼いでから、人を雇うからとか、理由があって、必要に迫られて事務所を借りているのであって、最初から独立事務所を借りる必要はないということです。

もちろん、これは僕の感じたままの意見なので、参考程度で聞いてください。

 詳しくはこちら
 →行政書士は二択の連続です。そして、どちらを選択しても正解です。

行政書士会の政治連盟に入らない選択について

行政書士登録の際に、政治連盟に入るか入らないかの選択を迫られます。

すんなり何も考えずに入ることができるのならば、何も問題はありません。

問題は、僕のように政治連盟的なものに拒否感があるような人はどうすればいいかということを行政書士登録の前に誰も教えてくれなかったので、僕の体験を一つ書いておきます。

基本的には政治連盟に入らなくても支障はありませんが、一つだけ行政書士会が取り仕切るイベントごとで不利益を受ける可能性があります。

 詳しくはこちら
 行政書士会の政治連盟に入らないことで僕が受けた不利益について。

行政書士登録の職印はネット作るのが一番いい。

行政書士登録をすると、職印を作ってくるように言われます。

こういうものはどこで作ったらいいのかと調べて、いろいろと比較検討をするのは面倒なので、ネットの中の印鑑店(はんこ屋さん)で作ると決めておけばいいと思います。

実際に高い素材のものであつらえても、職印を使うことも少ないので、ある程度の価格のものを一つ持っておけばいいと思います。

有名なところで、ハンコヤドットコムや印鑑の匠ドットコムです。

僕は印鑑の匠ドットコムで作りました。

 詳しくはこちら
 行政書士登録に必要な職印はネットで作るのがオススメ。

開業してわかったこと/実務経験について

行政書士を開業したのは2020年10月のことでした。

当時はまだコロナ禍で、とても静かに緩やかにスタートを切りました。

僕自身は相続業務の専門家として、行政書士をやっていく道筋をたてて、営業から実務までさまざまなことに取り組んでいました。

が、正直なところ、行政書士として僕が成功することはありませんでした。

それでも行政書士としての経験(特に失敗経験)は、その後の人生に大きく活かすことができ、今では財産になっています。

行政書士に関する経験をブログで書こうと思ったのも時間が経って、色々なことを消化できてきたからです。

行政書士を開業したばかりの頃

当然のことですが、行政書士を開業したばかりの頃は、仕事は何もありませんでした。

仕事はありませんでしたが、自宅事務所でやるべきことは色々とありました。

また行政書士の1年生を狙ったひよこ狩りにも毎日のように営業をかけられていました。

不安と希望の両方がありましたが、やはり希望の方が大きかったです。

このまま正しい努力をコツコツとやれば上手くいく、そう思っていました。

行政書士は失敗しましたが、長い人生の中では、この頃の経験はきっと成功につながるものだと思います。

 詳しくはこちら
 →行政書士事務所を開業した頃の思い出。

行政書士の相続実務を習得する

開業したものの僕には相続実務の知識も経験もノウハウも何一つありません。

これは行政書士の資格の制度設計の盲点です。

結局、半年から1年ぐらいは僕は相続実務を習得することばかりに時間を取られてしまい、開業後のスタートダッシュにも見事につまずくことになったのです。

 詳しくはこちら
 →行政書士の相続実務を習得するために僕がしたこと。実務講座や、営業の実践など。

黒田塾の相続実務講座を受講する

相続業務を専門に活動することを掲げましたが、僕はゼロからのスタートでした。

法律知識も、行政書士の受験知識のみです。

色々と調べた結果、少し費用をかかりますが、相続実務のノウハウを手に入れるために黒田塾の相続実務講座を受講しました。

 詳しくはこちら
 →行政書士の実務講座で勉強していた頃の話。黒田塾で相続を学んだこと。

相続専門の行政書士の営業方法

相続業務を専門にしていくなら、営業が最も大切であることは言うまでもありません。

僕自身は実務の多くを、営業を重ねることで身につけていきました。

僕の主に行っていた相続業務の営業は公民館での相続無料相談会です。

 僕が実際に行っていた営業方法については
 こちらの記事で詳しく解説しています。
 →相続専門の行政書士の営業としては無料相談会をオススメします

行政書士の戸籍実務のことも

行政書士には相続業務だけに限らず、戸籍に関するいろいろな実務があります。

もちろん、ほとんどが相続がらみなんですが、それ以外でも空き家問題などで、行政書士が戸籍収集などの仕事をやることがあるので、戸籍の読み方を学んでおくことをオススメします。

 詳しくはこちら
 →行政書士の相続業務で、戸籍の読み方を勉強したいと思ったら。

報酬や集金についての考え

僕が悩んだことは実務だけではありません。

報酬や集金についても多くの時間をかけて考えをめぐらせていました。

正直なところ、この部分が最後まで上手にこなせなかったという思いがあります。

報酬と集金の自分なりの哲学やシステムを早い段階に確立することができたらもう少し経営は安定したのかもしれません。

あるいは報酬や集金のことを考えすぎていたという側面もあり、いまだに正解を見つけれていません。

 詳しくはこちら
 行政書士事務所にキャッシュレス決済は必要か。STORES決済の導入について

行政書士ができる補助金申請業務について

経営がうまくいっていない頃に、行政書士の先輩の仕事を手伝うことが多くなり、その中に補助金申請業務がありました。

僕自身は補助金申請に必要な事業計画書をつくるというのが主でしたが、先輩から教えられた補助金申請業務の奥深さや魅力的な収益率は、これから行政書士をはじめる方には参考になると思い書いてみました。

 詳しくはこちら
 行政書士ができる補助金申請業務について|実務経験からの解説

行政書士を廃業した理由

行政書士を廃業した理由はいくつかありますが、一番の理由は、行政書士の仕事がまったく楽しくなくなってしまったのです。

とくに時間とお金をかけて習得した相続業務がじわじわと僕自身のメンタルを締めつけていくように嫌悪感を持つようになりました(現在はそうでもないですが)。

通院はしていませんが、適応障害のような状態だったんじゃないでしょうか。

自宅開業で、朝起きるのが辛いというのは致命的です。

もう一つの理由は親の介護(とくに母の認知症になった)がはじまったことです。

僕は自宅開業で、親と同居していたので、介護をしないわけにもいかず、家には問い合わせの電話が来て、認知症の母が電話に出てしまったりと、逃げ場がありませんでした。

経営不振というのもありましたがそれは大きな理由ではありません。

廃業直前は先輩の仕事を手伝っていたので、収益的には上向いていました。

僕は仕事は丁寧ですし、人あたりもいいので、仲間内からも信頼を得ていました。

「これからはこの仕事を村川先生に任せていくので頑張ってください」という先輩の親切が最終的に廃業のトリガーになりました。

自分が目指した独立とは全然違うカタチで人生が進んでいるということに絶望をしたのです。

行政書士を2年で廃業した僕の体験談

行政書士を廃業した理由は上記のとおりですが、今では理由はなんでもよかったんだと思っています。

正直、行政書士試験に合格した時が僕の行政書士時代のピークで、そこから徐々に行政書士という山をくだっていくような時間だったのかもしれませんが、廃業した時の悔しさは今でも覚えています。

 詳しくはこちら
 →行政書士を廃業した頃の思い出。後悔もあるけど、辞めて楽になったのも本当です。

行政書士を廃業する頃の経営(経済)状態

行政書士を廃業する前でも僕自身は自宅開業で親と同居していたこともあり、それほど財布の中身が痛んでいたという記憶はありません。

実際、仕事は先輩から紹介されていましたし、アルバイトをしたりしていたので、経営が原因で廃業に至るというより、やはりメンタルが痛んでいたのは、この記事を読んでも歴然です。

 詳しくはこちら
 行政書士事務所の経営に失敗した頃の金銭感覚について

廃業後の人生

行政書士を廃業してから、僕自身の人生は好転しました。

母の認知症は進行しましたが、在宅での介護を現在まで続けていますし、新たに学校給食調理員の仕事を見つけて、そこでとても人間性の溢れた出会いもあり、元気に暮らしています。

また副業でこのブログをはじめて、行政書士関連の記事をたくさんの人に読んでもらい、辛うじてこれまでやってきた自分のキャリアを否定せずに、今はとても満足しています。

キャリアブレークとしての介護離職

簡単に行政書士廃業後の僕の人生の流れを書いておきます。

同じように行政書士を辞めようと思っている人の背中を押すことができたらと思います。

 詳しくはこちら
 →介護離職とキャリアブレイクは人生の時間。ハローワークで転職して社会復帰するまで

人生は何度でもやりなおせる。

新しい仕事は学校給食調理員です。

行政書士とは全くの畑違いの職業ですが、これが僕の人生を変えてくれました。

母の認知症の苦難も乗り越えることができたのは、今の仕事と職場の仲間です。

人生において、仕事と友人は大切だと今では声を大にして言えます。

 詳しくはこちら
 公務員なのに副業ができる会計年度任用職員という働き方はオススメ

行政書士の開業から廃業と現在に至るまで。

現在は学校給食調理員をしながら、両親の介護をしつつ、寸暇を探して、このようなブログの記事を書いています。

『ねっとの知恵』は僕の経験がつまった人生ブログです。

行政書士はそのキャリアのほんの一部でしかりません。

ご興味のある方は他の記事も是非、ご覧ください。

 詳しくはこちら
 →行政書士の開業から廃業と現在に至るまで。キャリアとしての肉体労働、その他アルバイト。

行政書士は、資格さえ取れば誰でも開業できます。
しかし、続けていくのは決して簡単ではありません。

僕の体験が、これから行政書士を目指す人の参考になれば嬉しいです。

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