行政書士は食えるのか? 開業して2年で廃業した僕の現実的な意見

行政書士は本当に食べていける仕事なのか。

僕は実際に開業し、2年間活動した後に廃業しました。

その体験から、行政書士で食べていけるのかという疑問に、正直に答えます。

目次

行政書士は食えるのか【結論】

行政書士は稼ぐか、稼がないかの世界

結論から言うと、行政書士は食べていけます。

しかし、いくつか制約をつけると仕事を選ばなければということと、

好きな業務を選んで、程よく食べていくということはおそらく難しいと思います。

もう少しはっきりいうと、稼ぐ行政書士になるか、

稼がない行政書士、つまり廃業をするか、どちらかしかないということです。

理想では食えない行政書士

僕自身の話ですが、僕は理想の行政書士像がありました。

そのため必死になって行政書士になったわけですが、

わりとその頃からワークライフバランス的な思想も強く、

40歳過ぎてからは、もう少し仕事量を減らして、自分の裁量で

仕事をして、生きていこう!

という(今、思うと安易な)考えのもと、行政書士を目指して、

運よくというか(幸か不幸か)、一発合格したので、

考えの甘い行政書士が誕生(開業)したのでした。

正直なところ、そう考えていた自分を否定するつもりはありませんが、

僕のような理想に燃える人間と、行政書士という職業はアンマッチでした。

僕の知る最強に食える行政書士(ほぼ同期入会)

そういう僕を嘲笑うかのように(実際はとてもお世話になった人ですが)

同じ支部の稼ぐ先生がいて、いつも僕は彼の仕事を手伝っていました。

僕が行政書士が食えると思うのは、彼をそばで見ていたからです。

彼の口癖は「村川先生、行政書士はどの士業よりもコスパよく稼げますよ」

というもので、全く稼げてない僕は「はあ」と答えるばかり。

実際に彼のところには仕事が山ほど来ていました。

そして毎回寿司ランチをご馳走してもらうときは、

頻繁に彼の携帯電話が鳴っていました。

僕は彼に仕事が丁寧なのと、人当たりがいいのを理由に、

わりと気に入ってもらっていて、いろいろな仕事を

まわしてくれていました。

最終的にはこの彼の仕事を手伝って食いつないでいる

自分自身のスタイルが初期の僕の理想と大きく乖離している

ことに耐えられなくなって僕を廃業に追い込んだのですが、

それはまた別の記事で書いています。

行政書士の廃業の記事はこちら
行政書士を廃業した頃の思い出。後悔もあるけど、辞めて楽になったのも本当です。

食える行政書士の業務はなに?

食えないポイントは専門特化にこだわること

行政書士として開業するとき、自分はなんの業務を専門にしようかと誰もが考えるのではないでしょうか。

そして多くの人が、自動車関連業務を早いうちから除外してしまってはいないでしょうか。

僕自身は最初から民事法務がやりたかったから、自動車関連業務をやるつもりはありませんでした。

ここでの食えないポイントは、僕のように最初から専門特化の行政書士を目指すことです。

専門特化を目指すのは悪くはありません、むしろ専門特化を目指すべきです。

しかし、大事なのは時期です。

僕の最大の失敗は収益を軽視した事務所運営です。

最初のうちは収益がないのは仕方ない、この考えがもしある人は行政書士には向いていないかもしれません。

食えるポイントは、最初から食える状態を保持すること

まず言っておきますが、僕は初期の収益を軽視して、自分の進む道は正しいということで突き進みました。

そして行政書士を2年続けて、廃業して、いまでは自らの運営方針は間違いだったという結論を得ています。

では、どこが間違いだったかというと、食えるポイントは開業当時に必ずあったんですが、僕はそれをスルーしていたということです。

開業したばかりの時に、僕は会員証を受け取りに支部長の事務所に挨拶に行きました。

その時に支部長がこの人に会いなさいと紹介してくれた行政書士先生がいました。

その人がいわゆる僕が最強に行政書士は食えると言わしめた先述の寿司ランチの先生です。

「自動車だったら仕事はたくさんあるから。最初はその辺からやったらいいよ」

というような言葉をいただきました。

そこで僕は自分とは方向性が違うから、開業当時はその話に乗りませんでした。

でも、これは僕の最大の過ちです。

この段階で仕事をして収益を確保しないと先へは進めません。

僕が開業した頃の様子については
こちらの記事で
行政書士事務所を開業した頃の思い出。

自動車関連業務をやるべき理由

自動車関連業務をやるべき理由は、手っ取り早く収益を安定させることができるということがあります。

ここを軽視している行政書士は(僕も含めて)軒並み廃業しています。

もちろん、開業してから、他の業務で収益があればいいですが、自らが目指す業務で思うような業績を出せてない人は早く方向転換というか、収益のために動いてください。

やりたい業務は、収益の出る仕事の後で、十分に出来ます。

そしてそれを軌道に乗れば、次の人に引き継げばいいのです。

仕事はこうやって降りてくる

自動車関連業務のはじめ方は、一つです。

支部で自動車関連業務を専門にしている行政書士の先生に「仕事があればお手伝いができます」という旨を申し出れば、よほどのことがない限り、仕事をまわしてくれます。

基本的に自動車関連業務は人手が不足しています。

行政書士を廃業した僕にさえ今でも、補助者でもいいから仕事を手伝ってくれませんかというぐらい人手が足りていません。

なので、新人の行政書士がやるべきことは座学で専門知識を勉強することではなく、1日でも早く外へ出て収益を上げることです。

これは当時の僕自身に向けての言葉です。

僕自身は、開業当時も相続実務講座を必死に勉強していて、それはそれで現在ブログを書く知識にはなっていますが、行政書士として成功するには至りませんでした。

繰り返しますが、行政書士に大切なのは1日も早く収益を上げることで、その収益は営業をして取ってくる仕事ではなく、支部の先輩に一つ頭を下げて、仕事を紹介してもらうだけでいいのです。

こういう話が頻繁にありました

「一緒にやらないか?」と誘われたのが、毎週水曜日に1日限りの自動車登録の仕事です。

「1件10,000円の案件を、多い日で20件近くあるから、毎月やるだけで、結構な収入になるけど、どうやってみる?」

単純計算で、20万円×4週で、1ヶ月80万円です。

これは実際にあった話です。

僕が断って、やらなかった分は、別の人がやっていました。

僕は指を咥えて見ていましたが、やはりできないものはできないと今でも思っています。

行政書士という職業の厳しい現実

経営する覚悟が足りていなかった

これまで書いていることは現実主義的で、僕が行政書士をやっているときの自分の感覚とは程遠い考えです。

しかし、これが行政書士として成功する方法というか、食える行政書士でいるためにすることです。

そして僕が開業から追い求めていた理想の行政書士というのは、食える行政書士になってから目指したらいいのです。

しかし、焦りと、事業経験の不足が理由で、これだけのことを僕はできませんでした。

はじめての事業だったからと、見栄もあったでしょう。

あと、お金に対する考え(リテラシー)が雇われのままだったんです。

行政書士の廃業で事業の失敗を経験して、少し大人になれたというのもあります。

行政書士の業務を好きになれなかった

そしてもう一つ本質的なことをいうと行政書士を目指した段階で僕自身は間違っていました。

先程、見栄もあったと書きしたが、まさに僕が行政書士を目指したのは自らの見栄のためだったのです。

工場のパート勤務の40歳の男が人生を逆転するために、資格をとって自分を変えるというのが、もう古かったです。

僕が行政書士で失敗した一番の理由は、行政書士の仕事自体を好きではなかったのです。

それはおそらく多くの人が感じていることです。

収益があれば好きになれる

つまり、行政書士の業務の多くは本当に仕事の中の仕事という感じのばかりで、その中には遂行する過程の楽しさというのは、ほとんどないと思います。

ですが、そこに収益があれば楽しさが生まれます。

僕が思うのは、行政書士はやればやるほど稼げるから楽しいのであって、稼げなければなに一つ面白味がないのです。

僕は性格的に程々の仕事量で、食っていく最低限でいいので行政書士でやっていける方法をずっと探してい他のかもしれません。

ですが、行政書士は甘くありません。

稼ぐか、稼げないかのどちらかしかありません。

これは僕が実感した行政書士の生態です。

そして稼ぐ人は、とてつもないハードワークをこなしています。

もちろん、稼げる仕組みを作ってしまった人は、レバレッジをかけて、

法人化したりして、幾分は楽をしていたかもしれませんが、

多くの僕が知りうる行政書士で稼いでいる人は圧倒的な

仕事量を楽しそうにやっていました。

なので、僕はその熱量に足りないということで、メンタル的に壊れてしまい、行政書士を廃業することになりました。

このことは、当時は悔しい出来事ですが、現在に至っては、いい経験です。

冷静に考えて、あの時、僕が先輩にまわしてもらった仕事をこなして、事務所を維持して、行政書士を続けていたとしても今のようにハッピーな状態は得られなかったと思います。

人の人生には合う合わないというのはありますから、無理にうまくいかない仕事にしがみつくことはないです。

稼げるしくみが行政書士にはある

行政書士という資格は、成功する人を選ぶ

もう一つ僕が行政書士をやっていて、感じたことは、行政書士という仕事は向き不向きが多く出る仕事だということです。

つまり行政書士という資格は、成功する人を選びます。

先にも書きましたが行政書士に向いている人は、もう開業してすぐに稼いでいけます。

彼らの多くは行政書士が天職であるかのように、仕事にのめり込んでいます。

僕は開業当時はそういう彼らが羨ましくて、負けるわけにはいかないと、違う路線でがんばって営業をしたりして、せっせと新聞広告出したり、無料説明会を開催したりしていましたが、ほとんど成果が出ませんでした。

稼げるしくみにハマるか、ハマらないかだけ

僕自身の商売のセンスがないという風に感じたかもしれませんが、常識で考えたら、これまで会社勤めをしていたサラリーマンが独立して、商売をするとなったら、1年、2年は上手くいかないというのも当たり前で、僕自身の場合もよくあるパターンだったと思います。

そういう意味では行政書士というのは特殊で、稼げる行政書士というのは、営業もそれほど経験することなく、そのまますっと稼ぎの中に入っていけます。

イメージでいうと選挙の地盤を引き継ぐ感じで、稼いでいる忙しい先輩行政書士から、フッてもらう仕事がけっこう大きくで、それをひたすらやっていくうちに大きく成長していくというのが僕が見聞した稼いでいる行政書士でした。

行政書士の相続業務の難しさ

そういう意味では僕が目指していた民事法務の行政書士で、稼いでいた人は身の回りにはいませんでした。

僕が相続実務の勉強をしていた黒田塾の黒田先生は、本当にすごい人で彼の講義が面白くて、彼のように稼げるのであれば、我慢してやろうというのも、どこかにあったのだと思います。

けれども、相続業務の重たさや、顧客との折衝のストレスの半端なさも僕の行政書士の寿命を縮めたんだと思います。

僕自身メンタル面が弱いわけでもないですが、繊細なところが色々と気に障り結局、廃業まで振り切ってしまったのです。

僕が相続業務を学んだ黒田塾について
記事はこちら→
行政書士の実務講座で勉強していた頃の話。黒田塾で相続を学んだこと。

稼げる場所に自らアクセスしない人たち

稼げる行政書士はたぶん、僕が今、書いているようなことはなに一つ考えたことはないでしょう。

どうやったら、稼げるか、どうやったら、経営が上手くいくか。

彼らはこういうことは考えていません。

本当に彼らが考えているのは、この仕事を誰にフッていくか、今は誰が暇をしているか、仕事がなくて困っている行政書士はいるか。

使える人間を探している。

これです。

僕が行政書士が食える仕事だと言い切るのは、仕事がないという状態がないから、

それは行政書士全体が抱えている仕事の量から考えてもないからです。

稼げていない(僕のような)行政書士は、単に稼げる場所にアクセスしていないだけなんです。

そして、そこに行けば稼げるのに、そこでは稼ぎたくないという無意識の仕事選択の力が働いて、収益を遠ざけているのです。

このことに気づいた頃には時はすでに遅しで、僕はもう行政書士としてなにもやる気がなくなっていました。

負けるときは、完璧に負けるしかないと思い、愕然としたものでした。

これから行政書士を目指す人へ

行政書士にこだわらないでください。

僕は行政書士を廃業した頃はずっと後悔していました。

もう1年、踏ん張ったら、きっと経営状態もよくなっていたし、素直にすすめられる仕事を淡々とこなしていれば、普通に食っていけただろうと。

でも、実際は僕は食えない行政書士でした。

なぜかは今でもわかりません。

別に、支部の中でとがった存在でもなく、誰とでも仲良くして、やるべきことをやって、真面目に業務に取り組んでいました。

それでも行政書士として続けていくことができないとある日、思って、すんなり辞めてしまいました。

それから転職して、今、とても充実した生活をしています。

行政書士時代の思い出を少しずつブログに書いて、けっこうたくさんの人に読んでもらえているので、行政書士をやっていたキャリアも今になって役に立っています。

現在、稼げていますか?

僕のように開業からつまづいて、最後まで経営に悩まされてきた行政書士がいる一方で、

経営には悩んだことのない行政書士も必ず一定数います。

それは才能でもありますが、商売のセンスがいいとかではなくて、ただ行政書士の働き方がドンピシャに合っている人なんです。

行政書士に選ばれた行政書士というか。

支部の中でもものすごく稼いでいて、飄々としていて、穏やかで、とても話しやすかったりして、色々と相談にのってくれます。

とても付き合いやすい人が大半です。

もしそんな行政書士になれたら、あなたは一生食っていくことができるでしょう。

反対に、行政書士にはなってみたが、なにか思っていたのと違う。

そういう人は行政書士にこだわらず考えて見てください。

たった今の状態で、稼いでいる自覚があるかないかが行政書士を続けるかどうかの境界線でもあります。

行政書士として健全な活動ができている人は、もれなく稼いでいます。

稼げていない状態で、必死に行政書士を続けている人は、どこかで無理をしています。

これに早く気づいて次へ進むことを僕は強く押したい。

 行政書士として開業し、廃業するまでのリアルな体験は
 こちらにまとめています。
 → 行政書士の開業から廃業までの体験まとめ

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