行政書士事務所を開業したばかりの日々
行政書士として開業する
2020年9月に行政書士登録を済ませて、翌10月に開業届けを提出しました。
それまで従事していた納豆工場での仕事を9月いっぱいで退職して、10月から晴々しく行政書士としてスタートしました。
何もかもうまくいくだろう、というのが、その時の心持ちで、成功しか頭の中になく、本当に毎日、わくわくしながら暮らしていました。
長年やっていた肉体労働を辞めれて、様々な苦行から解放されたというひとときでもあったのです。
開業当初の招かざる客「ひよこ狩り」
開業したと言っても、しばらくは何も動きはありませんでした。
もちろん、いろんな業者からのセールスや勧誘の電話が来ました。
加除式の書籍を販売する営業の人とか、たくさん電話してきました。
いわゆる「ひよこ狩り」とかいわれているやつです。
行政書士の登録をすると住所と電話番号が行政書士会のホームページに載るので、招かざる客が連絡してくるというのは仕方ありません。
開業したばかりに知らない電話番号からかかってくるものに、いいものは一つもありません。
行政書士の開業での個人的な後悔について
この頃を振り返り、強く思うことがあります。
行政書士のはじめ方として、会社を辞めて独立して、フルタイムで行政書士になることは、あまりオススメができません。
ひと昔はそれでよかったかもしれませんが、今の時代(これからの時代)、行政書士は退路を断ってまでリスクを負うような職業ではないと思います。
僕自身が、開業して、2年で廃業して、感じていたことです。
開業当時のことを思い出すと、やはり自分の行政書士のスタートは失敗したと後悔しています。
今なら、もう少し違うアプローチができたのではないかと、やはり後悔しています。
以下に、そのことも詳しく書いてみようと思います。
メンタル維持を心がける
行政書士を続けていく上で最も大事なのは、メンタルです。
メンタルを維持するには、どうすればいいかを自分自身でも、考えてみるといいと思います。
僕自身にとっては、仕事のない状態と、家で朝から在宅することで不規則な生活を繰り返すことが大きな失敗でしたので、その状態、生活からの脱却を目指すことでした。
結局のところ、このままではいけないとひとまずアルバイトをすることになり、そのアルバイト(スターバックスのバリスタ経験)が自らの肌に合っていることを悟り、なんとなくではありますが、行政書士である自分自身から少しずつ離れる準備をしていったような気がします。
試行錯誤の日々
行政書士の肩書きはしばらくはずっといい
とはいえ、開業当時の新鮮な空気を忘れることはありません。
事務所も自宅で、看板も何もないですが、自らが行政書士であるという紛れもない事実に酔って、とても満足な日々を送っていました。
行政書士という肩書きの入った名刺をつくり、会う人会う人に渡していました。
今、振り返るとかなり滑稽な姿ですが、それぐらい行政書士としての自分が嬉しかったんでしょう。

そこがピークだったというのも今では認めて、後悔もなくスッキリしています。
開業のスタートダッシュに遅れる
僕が開業した頃は、コロナ禍の真っ只中で、行政書士会の集まりや研修などがことごとく中止で、開催されることなく、行政書士としての横のつながりのようなものが皆無でした。
このことが影響して、1人で自宅にこもって、開業当初から積極的に近隣の行政書士の先生に挨拶に行けなかったり、営業活動に尻込みしてしまいました。
更に僕自身は自宅開業で、親と実家で同居をしていたので、金銭的な焦りはほぼなかったといいうのも、開業後のスタートダッシュがうまく切れなかった理由でもあります。
焦ってはいけないという気持ちが強過ぎて、しばらく何も行動が出来ず、ずっと座学で、実務の勉強をしていました。
正直なところ、行政書士には座学や研修の類は必要ありません。
僕自身も様々なことの勉強や研修のため、初期投資と銘打って、けっこうな額を費やしてきましたが、今、思うと気休めでしかないと言わざるを得ません。


とにかく外へ出ること
もちろん、黒田塾などの商材を買って身につけた相続業務のノウハウはとても価値のあるものなので、一概にそういった商材が無駄であるとは言いませんが、行政書士にとって必要なのは、いち早く外へ出て、営業をして、なんでもいいので、お金になる仕事をするということです。
でもこういうことは、行政書士として理想を持って一生懸命やっている時期に言われても響かないもので、僕自身も同じようなことを散々言われましたが、段階を踏んで成長するイメージを捨てることが出来ませんでした。


自動車関連の専門先生に挨拶に行ってみる
どういう業務を専門にするのかは、それぞれ決めて進んで行ってもいいですが、僕自身の後悔というか、教訓として、思うのは、開業して仕事の何もない時期は自動車業務をやるのがいいということです。
これを専門にやっている先輩にお近づきになって、少しの時期、手伝うといいのです。
このことを開業当時に誰も教えてくれなかったのです。
でも、本当に儲かっている行政書士さんは仕事を振れる人を探しているので、遠慮とか恩義とかなく、仕事手伝いましょうか?
というノリで挨拶に行ってください。
たぶん、儲かっている先生は、礼儀とかあんまり気にせずに、機械的に冷酷に仕事をフってくれます。
あくまでビジネスライクです。


自動車業務のなにがいいのか?
自動車業務を経験することで、仕事をこなして報酬を得るという感覚が身につきます。
また仕事を振ってくれる先輩は、本当に人手を必要にしている人ばかりなので、仕事ぶりを見込まれたら、少しずつ重要度の高い仕事を回してくれます。
行政書士の仕事はこういう先輩のところに集まります。
僕自身は、働きぶりを見込まれて、補助金申請の仕事を頼まれるようになりました。
基本的に頼まれる仕事はハードワークです。
自動車業務は仕事に切れ目がありませんから、ひっきりなしにこなさないといけないから大変です。
しかし、そこで行政書士の稼ぐというイメージが育ちます。
僕は、開業当時にこの経験をしそこないました。
僕が、この経験をしたのは、1年以上経ってからです。
その頃には僕は行政書士をやめるかどうか考えている頃でした。


行政書士の資格の面白さ
行政書士の理想と現実
僕が行政書士として失敗したのは、自らの行う業務に理想を求めすぎて、その信じる正しさの中で、誠実に努力をすれば、結果がついてくると考えていた点です。
これは自分なりには、理解ができているのですが、今ではそれは間違った努力だったと思います。
どちらがいいかわかりませんが、行政書士を続けていくには2つしかありません。
一つは開業してすぐに上手くいき、そのままハードな仕事量のまま働き続けていくパターン。
もう一つはとにかく行政書士を続けていくことを目標にして、とにかく事務所維持をするためになんでもする行政書士。
もっと確率のいい戦略を考えるべきだった(後悔)
僕自身の最大の問題点は、好きなことだけを追求して、その専門家になることで、そこに価値を高めて、自らを売っていこうという戦略でした。
これはこれで、間違いではないのです。
しかしながら、これは芸人や歌手になる夢を追い求める若者と同じことで、行政書士でこれをやると当たる確率がかなり低いんです。
これは自分自身がこの手の方法でやっていて、実感しました。
宝くじというか、売れるか売れないかは運しだいというか。
理想というか、思想のようなものがあると行政書士はうまくいかないかもしれない。
開業後すぐに成功した同期の話
上手くいく人は、開業してすぐに軌道に乗ります。
僕の同期で、自動車とりあえずやってみるわという感じで、やっていた人は、一年で事務所を大きくしてしまい、補助者を雇ったり、新人の行政書士に仕事を頼んだりしていました。
僕はそれを指を咥えて見ていたわけですが、自分と何が違うかというと、とにかく仕事を選ばない。
なんでもやってみる。
仕事を一つこなすことで、稼ぐ実感ができるんです。
僕も後になってから、この感覚を学ぶんですが、行政書士としてかなりひねてしまった時期だったので、気持ちが続かなかったです。
行政書士は稼げる資格です
行政書士にとって何が大事なのかということを、今では僕はわかっています。
それは稼ぐことです。
収益さえ出ていれば、業務は楽しいです。
基本的に行政書士の業務は大変です。
その上、退屈で、だから、こなれてくると、誰かに仕事を振るという文化があるんです。
失敗してわかることもある
僕自身ももっと経営にシビアになって、お金に貪欲に考えることができたら、もう少しまともな経営判断ができたんですが、残念ながら、お金についてきちんとした考えを身に付けたのは、行政書士を廃業してからでした。
今でこそ事業を失敗して学んだと言えますが、やはり廃業することは悔しいし、残念なことでした。
同時に、身銭を切るというのはこういうことなのかと思い、後の人生の肥やしになっていると信じています。
副業として行政書士をやってみる選択もある
もう一つ思うのは、副業として行政書士をやってみれば、どうであっただろうかということです。
僕自身が行政書士をやっていた中で、確実に収益の得られた仕事のほとんどは一日仕事ではなく、現在でいうところの休日の空き時間で、対応できるものでした。
副業でできるほど、軽い業務ではないというのは、僕自身が相続業務を専門でやっていたので、身に染みています。
相続など民事法務をやるとしたら、副業ではできません。
相続など、他人の権利関係を扱う業務は全身全霊を捧げないと、危険な領域です。
僕は個別相談を受けるだけでも、それなりに怖い思いをしたことがあります。
行政書士でも、こんなに業務によって重い、軽いがあるのかというのは、感じることがあると思います。


行政書士の資格の使い勝手の良さ
僕がいいと思うのは、行政書士の肩書きです。
行政書士を保持しながら、他の事業で収益を維持して、時々、行政書士としての仕事をする。
あるいは行政書士としての肩書きとして、執筆するなど、まさに今の僕に行政書士の肩書きがあれば、もう少し権威性が高まるんじゃないだろうかと思っています。
こういう風に行政書士のことを書いていて、自信を持って書いていますが、所詮は辞めた行政書士です。
そういう風に広い目で見ると、行政書士の資格は使いようには色々とあるということです。
あるいは、せっかく取った資格ですが、使わずにそれ以外のことで、しっかりとうまく仕事がいっていたら、別に行政書士の資格のことは眠らせておくのがいいのかもしれません。
いずれにせよ、開業して、廃業したことで、一つ人生を前に進めることができたと何もかもが終わった現在、5年後ぐらいに感じています。


コメント